2013年5月29日水曜日

みづ


太古より人に雨降る立葵

夫に告ぐべきことも無し立葵

時に人みづにも棲まひ立葵



私に夫はいないのだけれども。

中上健次の「千年の愉楽」に出て来る花はタチアオイだとばかり思い込んでいたが、さっき確認してみたら、どうやら記憶違い。ちょっと複雑な気持ちである。

3 件のコメント:

  1. ずっと木槿をイメージして読んでましたが木槿には香りがないんです。
    あれは架空の花らしい。
    実も花も一緒につく、濃密な匂いがする、なんて書いてあると夏蜜柑の花を思ったり。

    「千年の愉楽」は映画化されているのだそうで、美貌の哀しいおとこ達ぜひ見たいと思ってますが上映館がほとんどありません(泣)。見たらがっかりもしそうだけれど。

     あきゆきが聴く幻の声夏ふよう 中上健次

    返信削除
  2. 本棚から引っ張り出して読み始めたら、いきなり、夜さいて朝にはしぼむなんて書いてあるではないですか。全然記憶にない(笑)。

    そうかあ、あれは架空の花ですか。

    読み返しているのですが、花のことは実はそんな頻繁に描写されているわけではない(その割に印象は強く残っている)とか、22年前の文庫本はこんなに字がちいさかったのか(しかもぎっしり詰まっている)とか、いろいろ感慨があります。

    返信削除
  3. 夫に告ぐの句は何かモヤモヤしていたんですが、ようやくわかった。楸邨の鰯雲。

    返信削除