2011年11月23日水曜日


斧入れて香におどろくや冬こだち 与謝蕪村

(こどものころ、一月十五日のどんど焼きの松牽きは子ども会の仕事だった。小学校の中学年以上の10人ほどで、地区の共有林から松を伐って、牽いてくるのである。松を組むための骨格になる10 mほどの木を2本ばかり倒し、そのほかに威勢よい炎を上げるための枝を落とす。一人で牽けるだけの枝をロープで縛ると、次々に斜面を駆け下りる。勢いよく走り降りて前の子に追いつく。立ち木に引っ掛けたりしてもたもたしていると後から来る子に追いつかれる。競争みたいで面白かった。ろくな防寒具もないし靴は普通の運動靴なので、雪の年は寒くて辛かった。それで、寒いなかで鉈で松の枝を打つと、シュッと生生しい匂いが飛び散るのである。)

いかに木を殺すか冬のこどもらは くろやぎ

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