2013年8月16日金曜日

切れ端


  フランシス・ベーコン展素描


君、顔が透けてゐるよ誰かゐるのかそこに

固有名詞捨ててしまへ 淡くなるよ身体

半透明な鬱だな 死はちゃくちゃくと

俺の中でいつも叫んでゐる誰か

抽斗が開かない顔が取り出せない

肩から消へ始めるのかさうかと思ふ

身体は半ばここにある 残りはどこ? さあ




2013年8月13日火曜日

夕凪


島国や風鈴の音が追ってくる

アメリカの銃の重さの残暑を猫は

パッピンス小豆は機影かもしれず

夕凪や死者の鼓膜の雪の音

永遠、永遠、蟬のことばで蜩が






とにかく暑い、暑い以上に倦怠感が、と言い出せばきりがない。死ぬときはきっと残暑の頃に発狂して死ぬんだなど思う。ホントに早く涼しくなってほしい、切実。とか言いながら来週は南洋へ。大丈夫か。